さてその「パト2」は、近づこうとする〈鳥=柘植〉と〈魚=しのぶ〉を〈犬=後藤〉が防ごうとするお話。柘植は、ラストの埋め立て地で鳥の大群に囲まれて立っています。後藤と荒川の会話の中で「神に代わって罰を下そうとする者」であるかのように語られ、聖書の言葉「われ地に平和を与えんために来たと思うなかれ」をしのぶに送ります。名は柘植行人=告げゆく人。神、聖書、言葉は〈鳥〉属性。「パト1」の帆場暎一(愛鳥家です)も「攻殻」の人形使いも、聖書の言葉をメッセージとして使います。みなさん〈鳥〉の仲間です。ちなみに彼らは、言葉や情報やプログラムを操りますが決して自らの手で暴力は振るいません。暴力は魚の領域です。
しのぶは、大人の女(魚属性)なんですが、後藤と群れている時は犬の仲間のように思えます。しかし、自宅に帰ってきた場面で、母から告げられた番号に電話をかけたら相手が柘植なのでびっくり、というシーン。しのぶの自室には熱帯魚の水槽があり、魚たちにカメラが寄ります。コンテには「熱帯魚 一瞬ザワッと波立つように動く」とあります。彼女の中のオンナが呼び覚まされることの暗示です。このシーンでしのぶがさりげなく髪をほどくのも心憎い演出です。
熱帯魚のカットはそのまま、階下の居間で電話をかける母のカットにつながります。この居間にも水槽があり、さっきの魚たちはどちらの水槽の魚ともとれるようにカットが配置されています。めったに帰ってこない娘の自室と居間にほぼ同じ熱帯魚の水槽がある、というのはリアリズムの点ではどうかと思いますが「犬・鳥・魚」理論には合致。押井さんの徹底ぶりはすごいものです。母の後ろの水槽の魚は、魚属性の中の「母性」の象徴です。彼女は、娘を守りたいとの思いから後藤に柘植からの電話の件を密告しているのです。
柘植の計画を防げず組織も追われ誇りを失ったしのぶに、榊の飼い犬が鼻を鳴らして甘えます。この犬は、彼女の背後で榊に向かって(本当はしのぶに向かって)「この状況を収束させるには柘植を逮捕するしかない」と説く後藤の分身であり、「アイツのところに行っちゃイヤだよ」という後藤の気持ちの代弁者です。しかし彼の思いとは裏腹に、埋め立て地でしのぶは柘植と固く手を握り合い、ヘリから2人を見下ろす後藤には「敗北感が浮かぶ」とコンテにあります(本編じゃちょっとわかりにくいけど)。
〈鳥=柘植〉と〈魚=しのぶ〉はヘリで去り、地に残った〈犬=後藤〉が見つめるのは仲間たち(特車二課の隊員)。そして「結局オレには連中だけか」と苦笑いしてつぶやく後藤。これを「犬・鳥・魚」理論で解釈すると、〈鳥=娘〉と〈魚=妻〉より犬は仲間(つまり犬)といるものなんだ、という結論になるのです。
朝日新聞デジタル:「犬・鳥・魚」講座その3 窓が割れる理由 - 小原篤のアニマゲ丼 - 映画・音楽・芸能
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Author:たくあんまりさ
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